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震源地は1つじゃない

2019年10月22日

■関東大震災の震源地

こんにちは、中原です。

活断層地図を眺めていると、

もう1つ恐ろしいことに気づきます。

それは、過去の地震の震源地が、

発生日とともに記載されていることから気付くことです。

1923年9月1日、つまり関東大震災の震源地が記載されています。

 

ところが地図を広げて見ていくうちに、

同じ日付の震源地をいくつも発見できます。

しかもその範囲は、関東近県に何ヶ所もあります。

 

一般的には、被害の大きかった神奈川県に

震源があると考えられていますが、

活断層地図を見て、それは特定できませんでした。

 

100年近くも前のことですから、

正確な測定ができていなかったのかな

とも思ってしまいます。

 

関東大震災の被害は、茨城県から静岡県まで及びます。

各地に震源地があっても、不思議ではありません。

 

当時、東京の帝国大学地震教室では、

関東大震災の地震波が計測されて残されています。

 

残念ながら、2つの地震波の針は激震で壊れてしまい、

東西方向の波形しか記録できませんでした。

しかも、大きな揺れでは針は振り切れてしまって

ピークの振れは残されていません。

 

実際に当時の発表では、震源地は当初、

茨城県南部であったものが、のちには神奈川県の

相模湾北部と訂正されています。

大きな地震が起きれば必ず、その後には余震が起きるものです。

 

つまり同日に起きた、余震の震源地が

記載されているということも考えられます。

関東大震災では24時間以内の有感地震が

356回あったと記録されています。

それはそれで、納得できます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■2つの地震か、1つの地震か

あらためて、東日本大震災と熊本地震で

私たちは似たことを経験しました。

 

アメリカ地質調査所のデータで歴代4位の

マグネチュード規模を記録した東日本大震災は、

4つの震源地がほぼ同時に動いたものとされています。

もしくは南北500キロ、東西200キロの広大な地震が震源です。

 

現実に体験した東日本大震災の地震の揺れは、

最初の地震が収まりかけた時に、

さらに大きな振動がくるというものでした。

このまま、地震が終わらないのではないかと思うほど、

強い恐怖を感じる地震でした。

 

熊本地震でも、最初のマグネチュード6.5の地震から

2日後に、より大きな規模のマグネチュード7.3の地震が起きました。

 

これまでの常識では、本震の時に、

本震よりも規模の小さい余震が続くものです。

ところが、気象庁も前震と余震という、

新しい見解を持ち出さなくては説明がつかなくなったほどです。

 

熊本地震では、揺れを感じる震度1以上の余震は

4000回を超え、震度5以上の余震は22回も起きています。

 

また、本震とされている4月16日、

マグネチュード7.3の熊本県を震源とする地震と同時刻に、

大分県でもマグネチュード推定5.7の地震が起きています。

同じ布田川断層帯のほぼ中心部と端になります。

 

この2つの地震の震度は、同時刻のため分けることはできません。

つまり、各地の震度は両方の地震が、

合わさったものとして発表されているのです。

 

とにかく、二度揺れ、三度揺れが起きるような地震は、

最も警戒しなければならない地震です。

一度に複数の震源地があるのも、前震・本震・余震と

少し間を置いて起きるのも、どちらも怖い地震です。

 

しかも、大きな地震が起きて建物が揺すられるたびに、

確実にダメージは蓄積されていきます。

つねに次の地震に備えることは、

欠かすことができないことだと思われます。

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