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「賃貸アパートを建てると相続対策になるのですか?」

2014年07月03日

よく「相続税対策のためにアパートを建てた」という話を聞くことはありませんか?

なぜ賃貸物件を建てることが「相続税対策」になると言われているのでしょうか?

そのことについてご説明しますね。

 

第一に、

現金を不動産に変えることで、相続税を計算するときの計算方法の違いを利用できるようになります。

たとえば、

2億円の現金を持っていると → 2億円がそのまま相続税の課税対象です。

そこで、現金を不動産に変えるという「マジック」を使います。

2億円で土地と建物を買って所有すれば → 2億円で評価されなくなる。ということなのです。

つまり、2億円の現金が2億円の不動産に変わることで

○ 建物=固定資産税評価額

○ 土地=路線価

という評価基準で評価されるようになるのです。

 

それはどういうことかというと、

土地と建物それぞれが、実際に買った価格より数割安く評価されるようになるのです。

 

土地

土地の路線価は理論上の売買価格である公示時価 ・・・ その公示時価の8割程度で評価されます。

 

建物

建物の固定資産税評価額は、やはり実際の売買金額の数割減となっていることがほとんど。

さらに、建物は年数が経つにつれて評価はさらに下がっていきます。

入居者が入るとさらに借家権割合や借地権割合が控除されるので、さらに金額が圧縮されます。

それに加えて、不動産に財産の所有者が住んでいたりして、一定の基準に該当すると、

「小規模宅地等の特例」という土地を安く評価してくれる制度が使えるようになります。

 

結果として、現金2億円なら2億円で評価されていた相続財産が、現金が不動産に変わることで、

1億円評価まで下がり、相続税を計算する際の金額が圧倒的に小さくなるんです!

つまり、相続税として払う金額も少なくて済むようになるわけです。

 

こういう理由なので、必ずしも賃貸住宅でなくても、現金を不動産に変えるだけで

財産の評価を引き下げられます。

 

たとえば、ご自宅の建替などを検討されている方。

そのようなご家庭で、現金の財産の割合が大きい方は、

生前に建替をした方が、相続税の対策にはなるということです。

 

まとめますと、相続税がかかるくらい大きな現金を持っているなら、自宅を建替えたり、

賃貸物件などの不動産に変えることで相続税の負担を小さくすることができます。

 

ただ、不動産を経営していく知識や適切なアドバイスがもらえる体制があること、

適切な物件であることが重要です。

 

知識がないままに、相続税対策という部分だけを見て、現金を不動産に変えてしまうと、

売れない不動産や、価値の小さな不動産、負担ばかり大きい不良債権のような

賃貸物件を持つことになります。

そうなると、相続対策はうまくいったとしても、その後の財産管理では失敗してしまうことになります。

 

駅から遠くて賃貸住宅の需要がないところに無理して賃貸住宅を建ててしまったり、

実は先行きの不安定な「一括借上げ」などを信じて安易に不動産投資をしてしまうことは危険です。

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