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借金まで妻や子供たちに相続させたくない・・・

2021年03月13日

こんにちは。磯貝です(*^^)v

 

今回は相続のお話です。

相続は、時に負の財産も承継しなければならないことがあります。

負の財産とは、すなわち借金のこと。

せっかく不動産などの資産があっても借金まで一緒に相続することになっては、

手元に1円も残らないどころか、借金の方が多い場合には自己負担まで発生してしまいます(>_<)

今回は負の財産の相続の事例をご紹介しますね。

 

数年前、都内にある相続専門の税理士事務所にAさんという男性が訪ねてきました。

Aさんは、奥様と息子さんの3人で都内の一戸建てに住んでいました。

資産は、家の他に現預金が約300万円ほどありました。

税理士がどのような相談か尋ねたところ、

Aさんはつらそうな表情で次のように話しました。

 

「実は末期ガンで余命いくばくもありません。

医者の見立てでは、1年から1年半ということです。

私が死んだあとのことを考えると、今ある財産をきちんと残してあげたいのですが、

実は家族にはまだ話していない借金があります。

借金まで相続することになったら、今ある資産は全部なくなってしまいます。

何とかならないでしょうか・・・。」

 

借金は過去にしていた事業の失敗でできたものだそうです。

働きながら少しずつ返済してきたものの、

まだ2500万円ほど残っているとのことでした。

借金ごと相続すると、家を売っても手元にはわずかな

お金しか残りそうにありません。

 

法律上、借金も財産の一部ですから、

「家と現預金だけ相続して借金は放棄します」ということはできません。

もし、Aさんが亡くなってから3ヶ月以内に相続を放棄するのであれば、

借金は相続しなくて済みますが、相続放棄すれば、

家も現預金も相続することができなくなってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

では、現預金だけ相続させる方法はないのでしょうか?

税理士はAさんに対して、いくつかの提案をしました。

 

まず事前準備として、Aさんと息子さんの間で自宅を売買する契約を締結します。

 

 

 

 

 

 

 

 

売買代金はAさんの治療費に充てる一方、奥様と息子さんを受取人にした

無選択型の生命保険(余命宣告を受けた方でも加入可)に使います。

 

あとは、実際にAさんが亡くなられた後です。

奥様と息子さんだけでなく、お父様やお母様、ご兄弟など、

相続人となる可能性がある方全員に相続権を放棄してもらいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時点で、誰も残された借金を相続する必要がなくなります。

家もすでに息子さんが売買契約によって取得しているため、

相続とは関係ありません。

 

「自宅の売買なんて煩わしいことをせずに、贈与してしまえば

もっと楽なんじゃないの?」と考える方もおられるかもしれませんが、

それだと後々面倒なことになる可能性があります。

借金があるということは、債権者がいるということ。

あからさまに優良な資産だけ贈与しておいて、

いざ相続の時に借金だけ放棄するようなやり方をすると、

債権者に訴えられた際にほとんど勝てる見込みはありません。

そうなれば、借金ごと相続しなければならないばかりか、

裁判費用なども負担する羽目になってしまいます。

これでは意味がありません。

最悪の事態を避ける意味でも、売買という形できちんと現金を介した

やり取りをする必要があるのです。

 

残る問題は、生命保険がどうなるか。

実は生命保険は税法上では相続財産だと見なされますが、

民法上では受取人固有の財産とされています。

したがって、たとえ相続権を放棄しても保険金だけは受け取ることができるのです。

 

1年半後、残念ながらAさんはお亡くなりになりましたが、

奥様と息子さんは予定通り相続放棄をしたあと、

生命保険金だけを無事に受け取ることができました。

 

相続は事前にどんな準備をしておくかで大きく変わります。

 

アイホームズには、税理士、行政書士が顧問としております。

皆様も相続について少しでも不安なことがございましたら、

お気軽にアイホームズにご相談ください♪

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