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「高気密」と「断熱性」が家の価値を決める

2019年05月29日

皆さんこんにちは。五十嵐です。

 

多くの人にとって、住宅は

「一生に一度の大きな買い物」です。

だからこそ、いざ建てるとなれば外観や内装をはじめ、

住みやすさから使い勝手など、

なにからなにまで気になってしまうのは当然のこと。

 

問題はそのこだわりが、資産価値を上げるために

上手にお金を使うこととは相反してしまう恐れがあるということです。

大切なのは、資産価値には関係のない部分や、

逆に価値を落としてしまう部分を見極めることです。

そのうえでバランスを考えます。

 

つまり希望する「デザイン」や「こだわり」を意識しながら、

家を評価する場合に重要な「コスト」と「性能」が

釣り合うような住宅の建て方を志向しなければなりません。

では、そのバランスの良さを実現するにはどのようにすればいいのでしょうか?

 

バランスを重視するのは、長期にわたって快適に暮らしながら、

同時に資産価値も維持するためです。

そのための必要条件は簡単に言えば「高性能な家」であること。

ただし、一口に「高性能」といってもそこには多くの要素があります。

 

たとえば「耐震性能」「耐久性能」「省エネ性能」「遮音性能」「バリアフリー」

などがそれに当たります。

なかでも現在もっとも実利的なものとして注目されているのが

「気密性能」と「断熱性能」の2つです。

 

高気密と高断熱による省エネ

 

住宅性能の中でもとくに「高気密」と「高断熱」が重視されるのは、

この2つが世界的に関心の高い環境問題、

さらに家計支出や快適性につながるからです。

 

ひと言でいえば、「高気密」「高断熱」な家は

冷暖房費が抑えられる省エネ住宅です。

身近な環境問題としてクルマの燃費が取り上げられていますが、

それ以上に、毎日の生活の場である住宅のエネルギー消費を

抑えることができれば地球全体の環境問題に貢献できるばかりか、

低ランニングコストで実際の家計出費にも貢献します。

例えていえば家の燃費がいいということになり、

それはそのまま資産価値の向上にもつながります。

 

では、この2つの性能とは、具体的にどういうものなのでしょうか。

まず気密性が高いとは、家のなかの空気と外気とが遮断され、

勝手に行き来することがないことです。

つまり、どこからかすき間風が吹き込んで、

気がつけば室温と外気温が同じになるなどということはありません。

(もちろん、定められている換気基準を満たすために、常時コントロールは必要です。)

 

そのため住宅の保温化が図られますから、

冷暖房用エネルギー消費が抑えられ、

一方で適切な換気によって結露の解消も可能となり、

生活環境の快適性が向上します。

 

断熱性は、住宅の外部と接する部分(屋根・外壁・窓など)

から家の内外に熱の移動が起こらないように、

室内と室外とをはっきり区切ってしまうことです。

断熱工事によって、この熱エネルギーの行き来が

少なくなった状態を「高断熱」といいます。

 

健康面でもメリットの多い高性能住宅

 

また、高気密・高断熱住宅では、各部屋や廊下に至るまで

家の内部全体の温度差が少ないのが特徴です。

そこでは家のなかでの思わぬ事故や疾病の原因とされる

「ヒートショック」や「コールドドラフト」が起こりにくくなるといわれています。

 

家庭内事故で亡くなる方は年間1万4000人と、

なんと交通事故の約2.8倍以上にも上がると言われます。

その原因のほとんどがヒートショックによるものだといいます。

 

このヒートショックとは、急激な温度の変化が

体に影響を与えて心臓に思った以上の負担をかけ、

心筋梗塞や脳血管障害などを引き起こすことで、

家庭内で高齢者が亡くなる原因の4分の1にも達する恐ろしいものです。

たとえば、冬の入浴時に脱衣室から浴室へ移動する際の温度変化は、

血管を伸縮させて血圧や脈拍を変動させ、

ヒートショックの要因とされます。

 

一方のコールドドラフトが起こるのがとくに冬の暖房使用時です。

「ドラフト」というのは一般的に「空気の流れ」のことで、

コールドドラフトは、外壁面やガラス面で冷やされた

空気の流れが室内に温度差を生じさせる現象です。

 

暖房をつけたのに足下だけ寒い状態がその代表でしょう。

体感的に不快に感じるだけでなく、

ときには体調を崩すことにもつながります。

極端なケースでは、脳溢血や冷え性を悪化させるような事例も報告されています。

こちらもヒートショックと同様に健康面からの対策が望まれるものです。

 

「高気密」「高断熱」の住宅では

室内の温度差が少なくなるのでこれらの現象は減少します。

そのほかにも、適切な換気により空気のコントロールができるので、

前に触れた結露の防止に加え、

室内を常時新鮮できれいな空気が循環する、

カビやダニが発生しにくい、

外部からの花粉やじん埃が進入しにくい

などといったメリットも加わるのです。

また、気密性の高さから防音性の面にも優れています。

 

 

 

POINT

■資産価値やランニングコスト面から住宅の性能が重視される

■健康面でもメリットが多い高性能住宅の注目度は高い

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