注文住宅と分譲住宅の大きな違い

こんにちは。五十嵐です。

 

同じ住宅でも、いくつかに分類ができます。

所有で分類すると「借家(賃貸)」と「持ち家(分譲)」に分けられます。

持ち家でも「マンション(集合住宅)」と「一戸建住宅」に分かれます。

さらに、戸建住宅でも『注文』と『建売』という分類ができますね!

 

今回はこの『注文住宅』と『分譲住宅(建売)』を比較してみましょう。

どちらも同じ「庭付き一戸建て」なので、あまり違いがないと思うかもしれません。

確かにグレードの差はあれ、使う材料や手間はそんなに違いません。

しかし、実際には、価格の差以上に大きな差があるのです。

 

分譲住宅(建売)は、誰から買っても建物自体の性能や品質は同じです。

ベテランの一級建築士でも、新人の事務所から買っても変わりません。

説明の仕方や納得感は違っても、建物は一緒です。

なぜなら、建売は、すでに完成している建物か、完成直前の建物だからです。

少なくとも確認申請は提出済みで、軽微な変更しか認められません。

 

販売している企業側は、できるだけ早く資金を回収したいので、

優秀な営業マンに担当させます。

売れ残れば、大幅値引きでしか売れなくなるからです。

広告で惹きつけて、セールステクニックで購買心理をくすぐります。

『半年前には家なんて考えてもいなかった』

そんな人たちが、衝動買い(契約)してしまいます。

 

同じ住宅の中でも「マンション」や「分譲住宅」は買う物です。

営業マンから説明を受け、現物を確認して売買契約を結ぶものです。

ようするに、家電製品や自動車などと同じ「納品」を待つだけなのです。

 

それに比べ、「注文住宅」は受注生産です。

発注者の希望や要望を聞いて、材料の調達からスタートします。

土地の形状や道路の位置、建物の方向によって、玄関の位置も、

建物の形状も、間取りも変わってきます。

分譲住宅のような基本プランにオプションの設備を取り付けるだけでは、

とても発注者の要望や立地条件に応えることはできないのです。

 

そうなると、土地を確認して、法的なチェックをして、日照や通風などを考慮して、

配置計画を考える人の存在が不可欠になります。

当然、窓の位置や音の問題など、隣の家との関係も重要になってきます。

そして、お施主さまの要望をお聞きし、その土地にマッチしたプランを提示する人が必要です。

経験豊富な一級建築士と、入社したての事務員が同じ回答を出せるはずがありません。

 

同じ会社でも「誰に頼むか」によって、回答がすべて変わるのです。

一流企業でも、商談の訓練を受けただけの、現場の経験もなく、

建築の知識もない販売員でしかない営業マンに任せられますか?

持ち合わせているのは、営業成績を上げるためのガッツと情熱だけだとしたら・・・(´-`*)

 

多くの場合、住宅メーカーでは、お施主さま自身で営業マンを選ぶことはできません。

最初に説明をしてくれた営業マンが、あなたの家づくりの担当になるのです。

「偶然の出会い」に期待するしかなくなりますよね(笑)

 

受注生産のパソコンであれば、自ら何を発注したのか控えがあります。

しかし、製造過程を見ることはできません。

ただ自分が発注したものが届くのを待つだけです。

それに引き換え、注文住宅は製造過程まで見ることができます。

せっかく自分の家ができていく過程を見ることができるのだから、

このチャンスを生かさない手はありません。

休みの日には、現場に出掛けてみましょう。

 

また、建売住宅は販売段階を除いて、すべて建築のプロが手掛けています。

土地の造成からプランの作成、建築工事まで素人の関与はありません。

発注予算以外は事業主が建築のプロに任せたプロジェクトなのです。

建売住宅が、プロだけが関与した住宅というのは意外かも知れません。

日本では、それほど建売住宅の粗悪さが常識になっていますから・・・

 

しかし、分譲マンションを思い浮かべて下さい。

個人の小さな設計事務所ではなく、中堅以上の設計事務所が「設計・監理」を担当します。

モデルルームのインテリアは、力を認められたインテリアコーディネーターが腕を振るいます。

発注者のマンションディベロッパーもプロです。

プロが認めた設計事務所、ゼネコン、インテリアコーディネーターに発注されるのです。

当然、競合物件もあるので、外観デザインや間取りにも特徴を出し、

一定水準の建物を提供しています。

 

建売住宅は、本来分譲済みの入居者さまの意見を取り入れて、改良を加えられていく家で、

使い勝手も経済性も改善されていくものです。

本当のプロが計画した建売住宅というのは、従来の建売のイメージではありません。

同じ分譲地内で計画的に資材が調達され、整然と職人が手配されるのです。

 

しかし、日本では戦後の住宅不足から、「粗悪な住宅」が飛ぶように売れ、

建築の様式美を理解しない業者が、商売のために数だけ供給していったのです。