「不動産を共有で分ける」…問題の先送りは問題を大きくします!

遺産分割で土地や建物を共有で分ける。

一つの家や土地を数名の家族の名義で分けることを共有するといいます。

登記事項証明書(登記簿謄本)などを見てみると、所有者の覧に、

「持分2分の1 山田太郎 持分2分の1 山田花子」と書かれています。

これが共有しているという状態です。

 

一家の主のお父さんがいきなり亡くなってしまい、遺言書も遺していない場合、

不動産のことなどに疎い、遺されたご家族は「とりあえず」で法定相続分のまま、

共有で登記してしまったりします。あまり深く考えずに・・・。

 

お母さん1/2、長女1/4、長男1/4の割合だったとしましょう。

そして、年月が経ちます。お母さんが亡くなりました。

ずっとお母さんとお父さんの面倒を見てきた長女(お姉さん)は、自分の貯金を持ち出しで

両親の面倒を見てきたため、自分の老後の資金がなくなってしまっています。

「遺された土地と建物を売ってお金にしよう。長男(弟さん)は親の面倒を見なかったのだから

事情を察して放棄してくれるに違いない・・・」こう考えて弟さんに相談に行きます。

 

ところが、弟さんから出てきた言葉は、

弟 『お母さんからの相続分は半分ずつだから、土地と建物の権利は姉さんと半分ずつだよね。

お金も半分ずつでなければおかしいよね。』

姉 『私は親の面倒を見てきたのよ。そこを考えてほしいわよね。』

弟 『姉さんは親に学費を出してもらったし、結婚資金も出してもらったじゃないか。

おれは何もしてもらってない。』

姉 『そんなの何十年も前の話でしょ。』

弟 『とにかく不公平だ。分ける金額が半分じゃなければ売るのには絶対反対だからね!』

姉 『親の面倒も見てこなかったのにずるいじゃない!』

 

こうして、姉弟の話し合いは、最悪の状態になってしまいました。

今では、お互いに顔も見たくないといいます。

家も土地もそのままです。

もしかしたら、裁判沙汰まで行くかもしれません。

 

どうしたらよかったのでしょうか?

ご両親の生前になら手は打てたはずです。

不動産は、ゆくゆくは長女に引き継がせたいと思っていたならば、

生前に贈与するとか、遺言書で長女に権利をゆずる旨を書いておくとか、

その代わりに長男には他の財産をあげるようにしておくなど・・・。

 

現金の財産なら分けるのは楽です。

不動産のように切って分けられないものに関しては、元気な、

できれば老いる前から残し方を考えておくことが大切ですよね。